わかっていても子どもに怒ってしまう。そして、後悔・反省…の繰り返し。
「なんでもっとボールを取りに行かないんだ!」
「ミスばっかり。もっと練習しろ!」
「どうしてあそこでパスなの?自分でシュート打てよ!」
「あそこの動きは違う!何度言ったらわかるんだ!」
我が子のプレーを見ていて「イライラ」が募る。
帰りの車の中や家に帰っても、つぎつぎに出てくる「イライラ言葉」。
我が子に「活躍してほしい!」「頑張ってほしい!」「もっと上手くなってほしい!」という思いはいっぱいあるのに。つい…
「ダメ出し→後悔・反省」の繰り返し。
どの親御さんでも、このような経験はあるのではないでしょうか。
「自分の子どもが活躍してほしい」と願うのは、親として当たり前の気持ちです。
我が家には2人の息子がいてサッカーをやっています。わたしも試合を観ていて「イライラ」し、息子にあたることがありました。
長年「教員」をやっていて他の子どもにはならない感情が、我が子になるとどうしても「主観」が入ってしまいます。
これは当然です。我が子ですから。
でも、そうならないように色々と試行錯誤し、そしてたくさんの失敗から学ぶことができました。
そのおかげで今では、「お父さん明日の試合は観に来れる?」と、わたしが応援に来るのを楽しみにしています。
この記事では、
「ダメだとわかっているけど、ついつい怒って責めてしまう…」
「怒って文句を言ってしまうので、息子の試合を見に行くのは止めておこうかな…」
「怒った後いつも後悔・反省…でも同じことを繰り返してしまう…どうしたらいいの?」
という悩みを解決するため、「怒らなくて済む」たった3つの親の関わり方!を紹介します!
わたしは今でもこの3つの関り方を実践しています!
ぜひ参考にしてみてください。
親子がともににサッカーを楽しみ、「サッカーが大好き!」になり、サッカーを通して主体性を育んでいきたいですね。
なぜ子どものサッカーに親は「イライラ」してしまうのか?
「怒らなくて済む親の関わり方」の説明をする前に、そもそも「どうして親は我が子に怒ってしまうのか?」その要因について考えておくことが大切です。
「子どもを生かすも潰すも親次第」とよく言いますが、毎回、子どもの試合を観て「一喜一憂」してしまう人は多いのではないでしょうか。
子どもがよいパフォーマンスをすれば笑顔で喜べるのですが、親が思っている・期待している結果でなければ「イライラ」と…
「ダメ!」だとわかっていても怒ってしまう…
どうしてそうなってしまうのでしょうか?
親が「イライラ」する原因は?
試合中もイライラ… 帰りの車の中でもイライラ… 家に帰ってもイライラ…
親がイライラして怒ると、子どもにとってマイナスでしかないことはわかっていても怒ってしまう…
この一番の原因は、「親が子どもに大きな期待をかけ過ぎている」ことです。
他人の子どものパフォーマンスがよくなくてもイライラ腹立たしくはなりません。直接、他人の子を「怒る」ことは絶対にしません。我が子だから怒ってしまうのです。
それは、親が我が子に「活躍してほしい!」「もっと上手くなってほしい!」という願いや期待があるからです。
親が自分の子どもに期待することは当たり前と言ってもいいでしょう。
わたしもいつもそう思っています。
そのため、親の思う期待値に届かなければ不満の感情が呼び起こされ、「怒る」という行為が出てしまうのです。
また、「大人」と「子ども」の関係性にも要因があります。
「叱る」という行為には「上下関係」があります。この親子の「関係性」を見直すことも大切になってくるでしょう。
親子間の関係性については、ここでは話が少しズレるので、別の記事で詳しく解説します。
親が我が子に「イライラ」する原因は、子どもに大きな期待をかけ過ぎているからです。
親が「怒る」と子どもはどうなる?
それでは、親に怒られ続けている子どもは、いったいどうなるのでしょうか?
親にダメ出しや怒られ続けていると、子どもは試合中「ミスをしたら怒られる…」という気持ちになり、親の顔色をチラチラ伺いながらプレーするようになります。
「怒られたくない!」という思いでサッカーをするようになってしまっているのでしょう。
こうなると、
- 「自信」がなくなり、積極的なプレーができなくなる
- モチベーションが下がり、「やる気」がどんどんなくなる
- 「言い訳」や「人のせい」にする
- サッカーが楽しくなくなり、嫌になる
すると、「お父さんは見に来ないで…」「もうサッカーに行きたくない…」と言い出すようになります。
このような子どもの言動に対して、親は「もうお前の試合は観に行かない、応援もしない!」とか、「そのようなことを言うのならサッカー辞めてしまえ!」と、真意ではないことを言ってしまい、泥沼状態に陥ってしまうことがあります。
子どものパフォーマンスに対して親が怒ってばかりいると、子どもは自信を失くし、サッカーが嫌いになるなど何一つプラスになることありません!
「怒らなくて済む」親の関わり方3つ!
親として我が子ががんばっているサッカーを「応援したい」「がんばってほしい!」「うまくなってほしい!」と思う気持ちはずっと持ち続けてほしいものです。
それでは、『どうしたら怒らないで子どものやる気を高めることができるのか』『どうしたら我が子が成長できるのか』を考えていきましょう!
怒ってしまったあとに「後悔・反省」をしてしまうということは、愛情があり・子どものために動くエネルギーがある証拠です。
それなのにうまくいかないのは、それは「子育てのベクトル」の方向が少しずれていることが理由かもしれません。
心身ともに上方向に伸びている子どもは、親の子育てベクトルが正しいのです。
そのベクトルの基準・方法となるのが次に紹介する「怒らなくて済む親の子どもへの関わり方3つ」です。
- 「質問」で答えやすい雰囲気をつくろう!
- まずは「認めて」・「受け止める」!
- 個人にフォーカスする!
サッカーは「難しいスポーツ」
「怒らなくて済む親の子どもへの関わり方」を紹介する前に、先にどうしても伝えておきたいことがあります。
それは、「サッカーは難しいスポーツ」であるということです。
サッカーは、ドリブルやパス、トラップなどを「不慣れな足」でボールを扱うスポーツなので、技術的にたいへん難しくミスが起こりやすいスポーツです。
また、野球やバレーボールなどのようにワンプレーごとにリセットされることはなく、スピーディーにゲームが進行します。常に頭を働かせ、状況を捉え、瞬時に判断することが必要です。
これを聞いただけでも難しさが伝わってきますね。
わたしも学生のころから社会人でもずっとサッカーをやってきました。思い返しても、「100%うまくいった試合なんて一つもありません」この難しさ・奥深さがサッカーの一つの魅力とも言えます。
これをまだ幼い子どもがやっているわけですから。当然ミスしたり、うまくいかなかったりするのは当たり前です。
わたしは息子によく言います。
「お前、すごいな!あんな難しいサッカーをよくやってるな!」と。
すると息子は、「すごいやろ!」と自慢げな顔をします。
親が「サッカーは難しいスポーツ」「ミスが多くて当たり前」と認識できれば、きっと少しは楽に子どもの試合を観れるようになると思います。
①「質問」で答えやすい雰囲気をつくろう!
「怒らなくて済む」親の関わり方の1つ目は、「質問」で答えやすい雰囲気をつくることです。
怒ってイライラしているときは、どうしても「感情的な言葉」になってしまいます。
例えば、「なぜできないんだ!」「なぜ失敗したんだ!」「なぜあそこでシュートを打たないんだ!」と怒鳴ってしまいます。
その後は、「ここが良くなかった…」「あれも悪かった…」など一方的なダメ出しのオンパレードに…。
このように「なぜ?」という言葉の裏には「相手を責める」意味合いが含まれてしまいます。
「なぜ?」とその理由を聞いているはずが、子どもにとったら「責めらている」と感じます。
これでは肝心なその答えが返ってきません。
そこで、「なぜ」を『なに』に置き換えてみましょう!
例えば、「なぜあそこでシュートを打たなかったんだ!」→『あそこでシュートを打たなかったのは、なにが理由かな?』と。
このように「質問」をされると、言われた方もその「理由」を考えることに意識がいきます。つまり、冷静に自分の行動を振り返りやすくなります。
「質問」されると、脳は質問に答えようとして、答えを探し始めます。
さらに答えようとする質問の内容を理解するときに、質問に含まれている前提を受け入れています。
例えば、「どうすればそれができるようになりますか?」という質問には、『どうにかすればできるようになる』『〇〇すればできるという方法がある』という前提が含まれています。
このような質問をされることで、子どもは未来に希望を見出し、具体的な方法を見つけながらやる気を高めていくことができます。
ぜひ、怒らず「質問」で子どもに考えやすい雰囲気を作ってみてください!
「質問」を通して、親子の会話が弾み、前向きでかつ、具体的な方法を考え振り返ることができるようになります!
ただ「質問」をするときに気をつけておきたいことが2つあります。
それは、
- 親が先走ってはダメ
- 年齢に応じた質問を
親が先走ってはダメ
質問するときに気をつけたい一つ目のことは、親が先走ってしまうことです
よくあるのが、「今日は〇〇がよかったな!」と親から話し始めることです。
これでは子どもは親の感想を聞くだけで、「考える」ことはしません。
大切なことは「子どもに考えさせる」ことです。
先ほどの場合でしたら、「今日は〇〇がよかったな」→『今日のよかったところはどこ?』と質問をしてみましょう。
また、親が先走って質問のオンパレードをすることもよくありません。
話の一貫性に欠け、先につながる内容が不透明になってしまいます。
「子どものよかったことに焦点を当てられる質問」をしてみましょう。
例えば、『今日のよかったところはどこ?』→「いいパスが出せた!」「シュートが決めれた!」などど答えてくるかもしれません。
すると、『いいパスが出せたのは何が理由?』と聞いてみます。→「トラップがよかったから」「周りが見えていたから」などど答えが返ってきます。
このように「よかったところに焦点を当てた質問」をすると、話がつながり、ポジティブに自分で考え・言語化する力が身につきます。
年齢に応じた質問を
二つ目に気をつけたいことは、年齢に応じた質問をすることです。
親が気になることばかり質問しても、子どもがどれくらいその質問に対して考えられているか、イメージできているかが大切です。
その質問の意図がわからなければ、自分で考え振り返ることはできません。
わたしが気をつけていることは、
- 低学年には「ポジティブな質問」を
- 高学年からは「ポジティブな質問」+「課題把握・問題解決的な質問」を
低学年の子どもには、どんどんいいところを見つけて与えてあげることが何より大切です。
この時期には、「自己肯定感」を育ませることが重要で、それは必ず今後につながってきます。
上記で説明した「子どものよかったことに焦点を当てられる質問」をしてみてください。
とにかく「ポジティブな会話」を心がけましょう!
高学年になると、理解力が出てきて、良くも悪くも自分のことが分かり始めます。
そのため、高学年の子どもにも基本「よかったことに焦点を当てられる質問」をして「自己肯定感」を育んであげましょう。
それにプラスして、現実にも目を向けていくことが必要になってきます。
例えば、『今日うまくいかなかったところはある?』→「ドリブルが全くだめだった…」
そこで、『ドリブルがうまくいかなかった理由は何かな?』→「相手との距離が近すぎたかな」
『よし、じゃ次から相手との距離を意識しながら練習してみよう!』と。
試合で「うまくいかなっかたこと」や「難しかったこと」を知り(課題把握)、それをどのようにして解決・克服していくのか考える(課題解決)機会を与えることが大切です。
ここで『ドリブル下手だな!』と一方的に怒ったり、『もっとドリブル練習しろよ!』と練習を押し付けたりしても、子どもの自主性は育ちません。
子どもが自分でミスを分析して、問題を解決するためには何が必要かを考えられるようになると、プレーヤーとして着実に伸びていくでしょう。
もしその時、子どもが答えがわからなかったり、限られたことしか言えなかったりする場合は助言をしてあげてください。
例えば、「ボールをすぐにとられてしまう」原因がわからなかったら、『腕をうまく使えるようになるとボールを取られなくなるよ』などと助言してあげてください。
そして、『今度一緒にその練習をしてみようか!』と言うと、子どもは喜んで取り組むでしょう。
「質問」をするときは、親が一方的に話さず焦点をしぼり、年齢に応じた声かけの工夫をしよう!
②まずは「認めて」・「受け止める」!
「怒らなくて済む」親の関わり方の2つ目は、子どもを「認めて・受け止める」ことです。
イライラ怒りに任せて「ダメ出し」連発…。
「もっとがんがんボールを取りに行けよ!」「何度言ったらわかるんだ!」
挙げ句の果てには、「何回言ってもわからないなんて、お前はバカなのか!」などと、人格まで否定するような言葉まで飛び出すこともあるかもしれません。
悪いところばかりを指摘されると、子どもは「自分の欠点」ばかりに意識が向いてしまい、どんどん自信を失っていきます。
そして、自信をなくした子どもは、どんどん消極的になっていきます。それなのに「もっと積極的にいけ!」という声かけは矛盾していますね。
親にしても本当は「ほめてやろう」と思っているはずなのですが…
「とくにほめるところがなくて…つい悪いところばかり指摘してしまって…本当はダメだとわかっているんですが…」と。
しかし、無理矢理ほめる必要はありません。
まずは「認めて・受け止めて」あげましょう!
- 「認める」というのは、事実をそのまま受け止めてあげるということで、ほめるのと違って、良いとか悪いとかの評価はしません。
そうすれば子どもは安心します。
特にこの年齢の子どもには、結果ではなくその過程を大切にしてあげてください。
『今日もがんばったね!』『ドリブル惜しかったね』などと言ってもらえると、子どもはうれしくなり安心します。
親も怒っているよりなんだか気持ちが楽になります。
これはサッカーに限らず、普段の生活の中から取り組んでみてください。
「宿題をした」「手伝いをした」「自分で用意をした」など何でもかまいません。
子どものほんの些細な「向上しよう」「がんばってみよう」という思いや・行動を逃さず見つけ、すぐに認めてあげることが親にとって大切な役割となります。
認めてもらえれば、子どもはうれしくなり自ら再び同じ行動をするようになります。これが「自信・意欲」につながり、そして「主体性」へとつながっていくようになります。
結果を評価するのではなく、その過程を認め・受け止めてあげましょう!
③「個人」にフォーカスする!
「怒らなくて済む」親の関わり方の3つ目は、「個人」にフォーカスすることです。
「どうして親は我が子に怒ってしまうのか?」その要因は、「親が子どもに大きな期待をかけ過ぎている」ことと説明しました。
その理由は、親が我が子に「活躍してほしい!」「もっと上手くなってほしい!」という願いや期待があるからだと。
実はもう一つ考えられる要因があります。
それは、「周りの子どもと比べてしまう」ことです。
「周りの子はできているのに、うちの子はどうしてできないの?」「自主練をやっているのに、あの子に勝てない…」など、他の子と比べて劣っていたらイライラしてしまいます。
「なぜ活躍できないの?」「なぜ勝てないの?」と、なってしまいます。
このように周りの子どもと比べてしまうと、「できないところ・おとっているところ」ばかり気になり、その結果、イライラして怒ってしまうのです。
周りと比べないで、個人にフォーカスすることが大切です。
子どもの成長期の時点で、「心」も「体」も「技」も違っていて、【個人差】があるのは当たり前です。
だからこそ、他と比べるのではなく、「個人」にフォーカスするのです。
何かができていなくても・劣っていても、決して周りと比べないで「ありのままの子ども」を受け止めてあげることが大切です。
『大丈夫!いつかできるようになるよ』『大丈夫。また頑張ろう!』と。
そうすれば子ども自身も安心し、自分を見つめられるようになってきます。そして『よし。頑張ろう!』という気持ちになってくるでしょう。
親は、決して周りの子どもと比べないで、「ありのままの子ども」を受け止め助言しましょう!
まとめ
子どものサッカーで親が「怒らなくて済む」関わり方を3つ紹介しました。
まずは、どうしてイライラ怒ってしまうのかその「原因」を知ることと、「サッカーは大変難しいスポーツ」であるということを認識しましょう。
それを踏まえたうえで、今回紹介した3つの関わり方を参考にしてみてください。
①「質問」で答えやすい雰囲気をつくろう!
・親が先走ってはダメ
・年齢に応じた質問を
②まずは「認めて・受け止める」!
③「個人」にフォーカスする!
やっぱり子どもにとっての一番のサポーターは「親」です。
親に「応援してほしい!」「がんばっている姿をみせたい!」と子どもは必ず思っています。
『親が変われば・子どもは変わります』
わたしは子どものために試行錯誤し続けました。もちろん今でも進行形です。
その甲斐あって息子は「生き生き」と、そして何より「楽しく」サッカーをするようになりました!
また、今回紹介した3つの関わり方以外にも、色々な方法があると思います。
大切なことは、『子どものために』親が考え・工夫し続けることです。
そして『全力で』『笑顔で』応援し、『サポート』し続けることです。
わかっていてもついダメ出しをして、いらいら怒ってしまう…と悩まれている親御さんは、ぜひ今回の関わり方を実践してみてください!
そして、笑顔いっぱい・楽しさいっぱいのサッカー生活を親子で歩んでください。