我が子がなかなか自分から進んでサッカーの"自主練"をしない。
「試合に負けて泣いていたのに…それからもまったく自主練はしない」
「試合にあまり出れていないのに自ら練習はやらない。悔しくないのかな?」
「いつになったら自分から進んで練習するようになってくれるのかな…」
「どのような働きかけをしたら自主練をするようになるのかな?」
多くの親御さんは、我が子に対するこのような悩みを抱いたことがあると思います。
わたしも二人の息子がいますが、この悩みは尽きませんでした。
親と一緒だと練習するんですが、子ども一人で「自ら練習」とはなかなかいきません…
いろいろと試行錯誤しました。
長年、教員やサッカーの指導者として子どもの育成に携わってきた経験を生かし、我が子にも同じような目線で関わることにしました。
特に子どもが小さいうちは、サッカーが上達することよりも『何か課題や目標をもって自ら取り組む』こと、
つまり、子どもの【主体性】を育むことが大切です!
そういった関わりを通して、息子たちは何よりもサッカーが好きになり、気づけばボールを蹴って遊ぶようになっていました。
そして、幼稚園の年長時にはリフティング2000回を超えるまでになりました。
"自主練"をやらない子どもに対する親の悩み。
まずは「なぜ自分から進んで取り組まないのか」その【理由】を理解することが重要です。
そして、その理由をもとに「どうしたら自分から進んで取り組むようになるのか」その【関わり方】について知ることが大切です。
そこでこの記事では、
🔶「子どもが"自主練"をやらない理由とその解決法」
について解説しています。
子どもには"やる気"をもって主体的にいろいろなことにチャレンジしてほしいと思うのは、親として当たり前のことです。
この記事を参考にして、子どもの主体性を育むアプローチに取り組んでみてください!
"自主練"とは?
"自主練"とは「自主練習」の略で、
「個人が、自主的・自発的に行う練習のこと」
通常の全体練習とは別に、【個人的に目的】をもって行う練習を言います。
つまり、「主体的な活動」と言えます。
例えば、
「親やコーチから自主練をやるように言われたからやっている」
これでは、「主体的な活動」と言えません。
"自主練"とは、あくまでも「自分自身でやる理由・目的をもち」、「自分自身で取り組む活動」です!
"自主練"はサッカーに限らず、人として「自分を成長させる・高める」ことができるとても大切な力と言えます!
"自主練"をやらない「理由」はこれ!
「どうして"自主練"をしないのだろう?」(もちろんしている子どももいますが…)
「負けて悔しくないのかな?」
「もっと試合に出て活躍したいと思わないのかな?」
親にしたら子どもの自主練をまったくしない姿を見ていると、不思議でまた腹立たしく思えてくるかもしれません。
子どもが"自主練"をやらない「理由」は簡単です。
「ゲーム」をする理由
子どもが"自主練"をやらない「理由」のヒントは、『ゲーム』にあります。
スマホゲームやその他のゲーム機器を用いて遊ぶことが好きな子どもはたくさんいます。
なぜ?「ゲーム」をするのでしょうか?
答えは簡単です。
「楽しいから」です。
親から、「ゲームをしなさい!」なんて言われませんよね。
「楽しいから」みんな自分から進んでゲームをして遊びます。
わたしは教員をしているときに、子どもたちに「なぜゲームするの?」と聞いたことがあります。
すると子どもたちは、めちゃくちゃうれしそうに「楽しいから!」と言ってました。
これこそが『主体的にやる理由』と言えるでしょう!
何に対してもやり始めのころは、この「楽しい」が最も『やる理由』と言えます。
「楽しい」から「やる!」
この心理状態こそが、「やる理由」につながります!
"自主練"をやらない「理由」は「やる理由がない」から!
ゲームは「楽しい」から自ら進んでやります。これが「やる理由」となります。
そう考えると、子どもがサッカーの練習を自分から進んで取り組まない理由は明らかになってきます…
- 強い個人的な「やる理由」がない
- 「優先順位」が低い
サッカーに対して、強い個人的な「やる理由」がなく、他のことより「優先順位」が低いからです。
強い個人的な理由とは、自分の心の中にある気持ち=内発的な動機のことです。
よく言われる「モチベーション」です。
「楽しい」「好き」「興味・関心がある」など
まずは土台として、「楽しい!」「好き!」という気持ちが何より必要で、これこそが「自発的にやる理由」となります。
サッカーが他のことよりも「楽しくて・好き」であれば、きっと自分から進んで取り組むでしょう。
この土台が薄ければ、たとえ悔しい思いをしても、サッカーに対する「やる理由や姿勢」につながりません。
サッカーが「楽しくて・好き」な気持ちをもって、さまざまな経験を積み重ねることで、更なる夢や目標へとつながり、新たな「個人的なやる理由=モチベーション」へとつながっていきます。
まずは「サッカーが楽しく・好き」になることが、サッカーをする一番の「個人的な理由」につながります!
「子どもが自主練をするための」親の関わり方5つ!
強い個人的なサッカーをする理由の"きっかけ"を与えるのが、親や指導者の役目です。
特に、一番長い時間子どもの近くで生活を共にしている「親の関わり方」が重要になってきます!
では、どのように関われば"きっかけ"を与えることができるのでしょうか?
始めのうちは、強い個人的な「やる理由」=「楽しい・好き」であることを説明してきました。
そのためにはサッカーだけに限らず、何に対しても、「自ら興味・関心をもって取り組む子ども」を育んでいくことが大切です。
そのような子どもを育むための親の関わり方を5つ紹介します。
- さまざまな「経験」をさせよう!
- 子どもと「一緒に」楽しもう!
- より「成功体験」を積ませよう!
- 「結果」ではなく「過程」を大切にしよう!
- 「ほめほめビーム」を送ろう!
子どもが主体的にサッカーに取り組む、"やる気"を高める効果的な方法については、さらに詳しくこちらで解説しています!
①さまざまな「経験」をさせよう!
自ら進んで取り組むようになるためには、まずはそれに対して「興味・関心をもつ」ことから始まります。
何事にも興味・関心をもって取り組める子どもにするには…
幼児期のうちから一つのことに特化せず、さまざまな「経験」を積ませることが大切!
例えば、「自然体験」を通して、「匂い・質感・感触・味・色・温度・痛み・喜び・楽しさ」など多くの感覚を養うことができ、感性を磨き、創造力や環境適応力などさまざまな力を育みます。
これらの「五感への刺激」は、脳の発達を促進させるのに効果的で、「感じ取る力や考える力」が養われます。
また、将棋やオセロなど楽しみながら思考する遊びなども効果的です。
わたしはたくさんの子どもたちと関わってきましたが、「何事にも興味・関心をもって主体的に取り組む子ども」は、小さいころからさまざまな経験を積んでいることが保護者の話から伺えます。
逆に言うと、小さいうちから「何か一つのことだけに特化」している子どもは、いろいろなことに対しての興味・関心度が低く、主体性に欠ける傾向が伺えます。
幼児期のうちは、何か一つのことに特化するより、「さまざまな経験」を積ませることが大切です!
②子どもと「一緒に」楽しもう!
子どもは、身近な大人が好きで「身近な大人と一緒に遊びたい」と思っています。
お父さん、お母さん、学校の先生、コーチ…など。
何をするにも「親が子どもと一緒に楽しむ」ことが大切!
サッカーに関しても、はじめのうちは"練習"ではなく、子どもと一緒に"遊ぶ"ことです。
お父さんが腕を組んで厳しく指示ばかりしていても、子どもはまったく楽しくありません。
子どもが求めているのは、「一緒に楽しみたい!」なんです。
わたしは学校現場で、必ず休み時間は子どもたちと遊んでいました。
我が家でも同じです。
サッカーに限らず、何でも子どもたちと一緒に遊びます。それは「楽しい!」からです!
子ども以上にわたしが楽しんでいるかもしれませんね。
まずは親(大人)が楽しまないと、子どもに楽しさは伝わりません。
家庭の諸事情で、なかなかその気持ちはあっても「時間が…」と思われる方もおられるでしょう。
でも、そのような状況の中でも、できるだけ子どもと一緒に遊ぶ時間を確保してください。
何事にも「楽しく」取り組むことができるようになると、「興味・関心・意欲」の態度面が育まれます。
親は子どもに「やらせる」のではなく、「一緒にやる」=「一緒に遊ぶ」ことが大切で、それが子どもの「興味・関心・意欲」などの態度面の育成につながります!
③より「成功体験」を積ませよう!
何をするにも、「できる」から「楽しい」のです。
はじめのうちは「成功体験をより多く積ませ」⇒「楽しさ」を味わせ⇒「興味・関心・意欲」をもたせることが大切!
できないことを忍耐強く取り組めるほど、子どもの心は強くありません。
例えば、リフティングを練習していて、
「昨日は10回できたんだから、今日は10回以上できるまで!」
なんて、根性論みたいなことは子どもにとっては苦痛にしか思えません。
「できる」=「成功」するから「楽しい」のです。
子どもが大好きなゲームは、失敗してもすぐにリセットして再びトライできます。そしてクリア=成功・達成に至ります。
やはり、先に「クリア」=「成功・達成」のイメージがあるから意欲につながるのでしょう。
サッカーでも同じことが言えますね!
『小さな成功体験』を積み上げていくことで、サッカーに対する興味・関心を引き出してあげましょう!
④「結果」ではなく「過程」を大切にしよう!
親はついつい我が子の「結果」ばかりを追い求めてしまいます。
そして、その結果が親の期待値と異なると、子どもに親の期待結果を要求します。
これでは、子どもは親の期待に応えるためにサッカーをするようになります。
ここに主体性は存在しません。
親は「結果」ではなく、その「過程を認め・受け入れてあげる」⇒子どもの「自信・意欲」へとつながらせることが大切!
そうすれば子どもは安心します。
特にまだ子どもが幼いうちは、結果ではなく過程を大切にしてあげてください。
『今日もがんばったね!』『ドリブル惜しかったね』などと言ってもらえると、子どもはうれしくなり安心します。
親も怒っているよりなんだか気持ちが楽になります。
これはサッカーに限らず、普段の生活の中から取り組んでみてください。
「宿題をした」「手伝いをした」「自分で用意をした」など何でもかまいません。
子どものほんの些細な「向上しよう」「がんばってみよう」という思いや・行動を逃さず見つけ、すぐに認めてあげることが親にとって大切な役割となります。
親に「過程」を認めてもらえれば、子どもはうれしくなり自ら再び同じ行動をするようになります。これが「自信・意欲」につながり、そして「主体性」が育まれていきます!
⑤「ほめほめビーム」を送ろう!
子どもは、親に『見てもらいたい!』『認められたい!』『誉められたい!』と思っています。
特に子どもが幼児期のうちは、何でも「ママパパ、ほら見て!」
などとよく言ってきませんか?
その時は、必ず「見てあげて」ください!
そして、
「うあっ!すごいね!!」「もう一回見せて!」
と子どもの姿を「認めて・誉めて」あげましょう!
とにかく【ほめほめビーム!】です。
これが子どもの『自発性』をうながすきっかけになります。
そうは言っても実際、親子で練習をしていると、親の思い通りに行かないことがたくさんあります。
でも、失敗やうまくいかないことがあって当然です。
また、精神的にも肉体的にも「個人差」があります。
大人は子どもがうまくいかないことを十分に配慮しておくことが必要です。
子どもたちは「トライ&エラー」の繰り返しで成長していきます。
「ダメ出し」や「叱責」は絶対してはいけません。
親がこの時期の子どもにどのように接するかで、今後に大きく影響してきます。
とにかく子どもは親に「見てほしい」「認めてほしい」「誉めてほしい」と思っています!親はうまくアプローチをしてこどもの「自発性」を育みましょう!
まとめ
子どもが「なぜ自分から進んで練習に取り組まないのか」その【理由】と、
その理由をもとに「どうすれば自分から進んで練習に取り組むようになるのか」その【親の関わり方】について解説してきました。
子どもが自分から進んで"自主練"をやらない理由は、
- 強い個人的な「やる理由」がない
- 「優先順位」が低い
サッカーに対して、強い個人的な「やる理由」がなく、他のことより「優先順位」が低いからです。
とくにはじめのうちは、「楽しい!」「好き!」という気持ちが何より必要で、それこそが「自発的にやる理由」となります。
サッカーの「楽しさ」を子どもにきっかけを与えるのは、親や指導者にあたります。
特に、子どもと一番長く接している「親」の子どもへの関わり方が重要になってきます。
サッカーだけに限らず、何に対しても「自ら興味・関心をもって取り組む子ども」を育むための親の関わり方を5つは、
- さまざまな「経験」をさせよう!
- 子どもと「一緒に」楽しもう!
- より「成功体験」を積ませよう!
- 「結果」ではなく「過程」を大切にしよう!
- 「ほめほめビーム」を送ろう!
「子どもが『主体性』をもって取り組めるようになるための親の5つの関わり方」をぜひ参考にしてみてください。
まずはサッカーがうまくなることより、何事に対しても「興味・関心」をもち、「自分から進んで取り組む」子どもの育成に努めていくことが大切です。
そして、子どもが「生き生き」と「楽しく」サッカーに向き合えるサポートをしていきましょう。