子どもが"言い訳"をする要因はこれ!正しい対応法5つ!

「だって僕だけじゃないもん!」

「でも〇〇くんもみんなやってるよ!」


「〇〇が△△って言ったから…」

親が何かを言うと、子どもは「だって」「でも」などの言い訳の言葉を並べます。

このような状況が繰り返されると、親としてはイライラしたり、どのような対応をすればよいのか子育てに悩んだりすることもあるでしょう。

わたしは長年教員をしてきましたが、子どもはみんな上手く言い訳をします。

しかし、それはお互いの関係性から生まれます。

つまり、子どもが言い訳をするには「理由」があり、実はその要因は「外部=大人の対応」が影響しています!

そこでこの記事では、

  • 子どもが"言い訳"をする「理由」とその「要因」
  • 正しい「対応法」5つ

教員経験・実践で得た、子どもへの理解と対応法について解説しています!

ぜひ参考にしてみてください。

もともと子どもは「素直」です。

親を含め、周りの大人が"言い訳をする子ども"を作り上げていると言っても過言ではありません。

とは言え、子どもの言い訳を完全になくすことはできないと思います。

大人だって言い訳や人のせいにしてしまうときはありますから、それを子どもには絶対許さないというのは難しいです。

しかし、言い訳がエスカレートしていき、完全に"クセ"のような状態になるのだけはさけていきたいですね。

「言い訳は人(子ども)の可能性を狭めてしまう行為」です

子どもが"言い訳"をする理由とその要因を理解し、正しい対応法を知り、言い訳が"クセ"にならないような関係性を築いていきたいですね!

目次

子どもが"言い訳"をする理由

子どもはどうして"言い訳"をするのでしょうか?そのときどのような心理状態なのでしょうか?

それぞれの子どもの実態や、そのときの状況にもよりますが、子どもが"言い訳"をする最もの理由は、

自分の正当性の主張 ⇒ 「自分の身を守るため」(自分への保身・自己防衛)

しかし重要なことは、子どもが言い訳をする「理由」ではなく、どうして言い訳をしなければいけないのか、その『要因』が何なのかを知ることです。

状況や子どもの実態によって言い訳をする理由は他にもあります。

しかし、どの理由であっても最終的には「自分の身を守る」ために自分の正当性を主張するのです。

それでは、子どもはどうして「自分の身を守る」ために正当性を主張する必要があるのか?その要因について説明していきます。

子どもが"言い訳"をする要因はこの2つ!

子どもが「自分の身を守る」ために言い訳をしてしまう要因は、親をはじめ指導者や周りの大人の働きかけによります。

それでは親やその他外部からのどのような働きかけ方が、子どもの「自分の身を守る」ための言い訳につながるのでしょうか。

その要因と考えられる親の言動は2つあげられます。

  • 親のダイレクトな「修正・叱責」
  • 親の過度な「期待」

この2つの要因は、場合によればかぶることもありますが、大きく分けると主にこの2つの要因が考えられます。

それでは詳しく一つずつ解説していきます!

親のダイレクトな「修正・叱責」

子どもが自分の身を守るために言い訳をしてしまう1つ目の要因は、

『親のダイレクトな「修正・叱責」です』

子どもが「自分の身を守る」ため、自分の正当性を主張する心理状態には、親(外部)から『叱られたくない』『怒られるのが嫌・怖い』という気持ちがあります。

子どもも成長するにしたがって「善悪の判断」が少しずつ身についてきます。

「本当のことを言うと怒られる・修正される」ことがわかっています。

そのため、親が怒ることを回避するため、言い訳によって自分を正当化し、自分の身を守ろうとします。

もし素直に・正直に話したら…

「ゲームが面白くて、もっとしたい」

「宿題するのはめんどくさい」

こんなことを正直に言ったら、親に「何を言ってるの!もうゲームは取り上げ!早く宿題しなさい!」と修正され・怒られることが分かっています。

それを防ぐため・自分の身を守るために言い訳をします。

また、言い訳を繰り返し"クセ"になってくると、知恵がついてきて「自分が悪い割合を軽くしようという狙い」でさらにいろいろな言い訳を考え出します。

「だって弟がまだ遊びたいって言ってるから」

子どもが知恵を絞って言い訳をしても、さらに「言い訳するな!」「人のせいにするな!」と親に怒られることでしょう。

こうなれば子どもの心理状態は、ますます他に責任を転嫁したくなります。

つまり、

人は否定されると本能的に「自己防衛本能」が働き、自分を正当化しようとする意識が働く

ですから、このような対応はさけたいですね。

親のダイレクトな「修正や𠮟責」があると、子どもは「自分の身を守る」ために"言い訳"をします!

親の過度な「期待」

子どもが自分の身を守るために言い訳をしてしまう2つ目の要因は、

『親の過度な「期待」です』

人は誰でも少なからず、周りから評価されたいし、どのように思われているか気になるものです。

もちろん子どもも同じです。

子どもの場合は、親や先生、コーチといった指導者から「認められたい」「良く思われたい」という気持ちをもっています。

こういった子どもに対して、親の期待が強くなると、子どもの心理状態はどうなるでしょう?

「親の期待に応えられなかったどうしよう…」

「親の期待に応えなければいけないどうしよう…」

「自分の姿を良く見られたいどうしよう…」

このように親の顔色を伺うようになります。

そのため、親の期待や思いを回避するため、言い訳によって自分を正当化し、自分の身を守ろうとします。

つまり、子どもが「自分の身を守る」ため、自分の正当性を主張するもう一つの心理状態には、親の期待を『うらぎりたくない』、親の期待に『応えなければいけない』という気持ちにあります。

もし正直に話したら…

「今日のサッカーの試合は1点も入れることができなかった…」

「今回のテストは、60点だった」

「また1点も入れられなかったの!もっと練習しなさい!」

「まったくいい点取れないわね!もっと勉強しなさい!」と、親の期待に応えられなかった仕打ちがまっています。

それを避けるために、自分の身を守るために

「おしいシュートはいっぱいあったんだけどね…でも足を蹴られて少し痛めていたんだ」

「問題はわかっていたけど、計算ミスをしてしまって」

このように言い訳をし自分をごまかすようになります。

さらに親の期待が強く、言い訳をくりかえしているうちに、

「今日の試合は3点も入れたんだよ!」

「テスト90点だった。あともう少しで100点取れてたんだけどね」

なんて、"うそ"をつくようにもなります。

もちろん、これらのようなうそや言い訳は通用せず、さらに怒られるパターンとなってしまいます。

親の過度な期待があると、子どもはそれに「応えなければいけない」という心理状態になり、「応えられなかった」ときに、「自分の身を守る」ために"言い訳"をします!

「プライドが高くて」自分の否を素直に認められず"言い訳"をしてしまうのも、実はこれらと同じで、親の過度な期待が影響していると考えられます。

良い結果ばかりを求められていると、「ミスや失敗が許されない」といった心理状態になります。

この心理状態が続くと、自然と自分の中での目標基準が高く設定され、高いプライドとして難しい状態を作り上げてしまいます。

まだ子どものうちの高いプライドといったものは、うまく自分の向上のために生かすことは難しいです。

それでは、親はどのような接し方をすれば、子どもの"言い訳ぐせ"を減らすことができるのでしょうか?

"言い訳"をする子どもへの正しい対応法5つ!

言い訳をする子どもに育つ理由や要因は、親の接し方が大きく関係していることを説明してきました。

言い訳は、「人の可能性を狭めてしまう行為」です。

言い訳をするということは、責任を自分以外の人や物や環境に転嫁することで、その時点で「自分が改善しよう」とか、「自分が成長しよう」「自分が変わろう」という視点がなくなります。

それでは、どれだけ良い経験をしても成長しづらいですよね。

とはいえ、子どもの言い訳を完全になくすことは難しいです。

ですから、子どもの言い訳が"クセ"にならないように親としてはできることをしてあげたいものです。

では、具体的に親として何をしてあげればいいのか"言い訳"をする子どもへの正しい対応法5つを紹介します!

  1. 子どもの「気持ちを受け止めて」あげる!
  2. 「自分目線」で考えさせる!
  3. 「iメッセージ」を伝える!
  4. 「失敗すること」を認める!
  5. 「親の言動」を見直す!

言い訳をする子どもへの「親の正しい対応法5つ」について、一つずつ詳しくみていきましょう!

①子どもの「気もちを受け止めて」あげる!

"言い訳"をする子どもへの正しい対応法1つ目は、

「子どもの話を最後まで聞いてあげ⇒子どもの気持ちを認めて受け止めてあげること」が重要!

このような対応をすることで、子どもは安心感を覚え、より素直になります!

そうは言っても、このような対応こそが親にとって一番難しいんですよね。

やはり我が子だから、親としてどうしても主観的な対応になってしまいます。

わたしも教員をしていてよく思うことがありました。
それは、児童生徒と対応するのと同じように我が子にはなかなかできないものです。

子どもの言い分を最後まで聞けず、親が先回りしダイレクトな修正をしたり、叱責したりしてしまうことがありました。

そうなると、子どもはますます言い訳をしたり他に責任転嫁をしたりしてしまいます。

もっとひどくなると、親の上からの圧力により言い訳さえもできず、自分の気持ちを表面に出さずストレスをためてしまうことです。

このようになってしまわないように、まずは子どもの気持ちを「認めて受け止めて」あげてください。

そして、子どもに「安心感」を与えてあげてましょう。

『テストなかなか難しかったみたいだな

『今日の試合はなかなか思い通りにいかなかったみたいだね』

このように子どもの気持ちに寄り添い共感することで子どもは、

「うん」

と安心して、素直に言えるようになります。

子どもの思いや言い分をまずは「そうか」と認め受け止め安心させ「自己防衛本能」の働きを弱めることが大切です!互いの信頼関係にもつながります!

②「自分目線」で考えさせる!

"言い訳"をする子どもへの正しい対応法2つ目は、

「起こった出来事を誰が良いか悪いかではなく、自分には何ができたかという目線で考えさせること」が重要!

▶例【子どもが友だちとケンカをしてしまった場合】

親:「どうしてこうなったの?」

子:「〇〇くんが先に△△してきたから…」

親:「〇〇くんもダメだけど、あなたも△△したからダメ!」

トラブルがあったとき、おそらくこのように『ケンカの原因』をたどっていき、「誰が悪い」「うちの子は悪くない」といった事実が見えてくることと思います。

もちろん事実を確認することは必要ですが、そこに話の重きをおくと、子どもの【自己防衛本能】が働き、自分をより正当化しようと"言い訳"になっていく可能性があります。

"言い訳"をしない子どもを育むための関わり方としては、誰がいいか悪いかではなく、『自分はどうだったか』『自分には何ができたか』という【自分目線】で考えさせることが大切です。

子:「〇〇くんが先に△△してきたから…」

親:「うん、わかった。っで、あなたはどうだったのかな?」

子:「ぼくも、○○してしまった…」

親:「そっかあ。しっかり自分のこと言えたね」
  「じゃ、あなたはそのとき何ができたかな?どうしたらよかったかな?」

このように【自分目線】の問いかけをすることで、子どもなりに「何ができたか」「どうすればよかったか」と自分自身に着目して考えることができるようになります。

そのためには、まずは子どもの話を最後まで聞いて、受け止めてあげましょう。

子どもの思いを受け止め⇒「自分には何ができるか」という【自分目線】の視点で考えさせるサポートをしてあげましょう!

③「iメッセージ」を伝える!

"言い訳"をする子どもへの正しい対応法3つ目は、

「"youメッセージ"ではなく、まっすぐな"iメッセージ"を送る」ことが重要!

▶例【野菜嫌いの子どもの場合】

「好き嫌いはダメ!野菜絶対食べなさい!」

『〇〇には野菜を食べてからだの丈夫な元気な子に育ってほしいな

といったように、「言い訳しないの!」とか「人のせいにしないの!」などとyouメッセージで伝えていくよりも

「私はどう思った」「どう感じた」というiメッセージで、親の愛情を子どもへまっすぐ届けてあげましょう。

iメッセージで、親の愛情が素直に子どもに伝わることで、言い訳や人のせいにすることが少しずつ減っていくかもしれませんね!

④「失敗すること」を認める!

"言い訳"をする子どもへの正しい対応法4つ目は、

「子どもが失敗をすることを恐れないような関わりをしていくこと」が重要!

「結果ばかり褒められている・価値がある場合」

「日ごろから子どものしつけなど完璧主義を求めている場合」

「失敗したときにひどく叱られた経験がある場合」など

このように、結果ばかりを求められていると、「ミスや失敗が許されない」といった心理状態になり、子どもは「自分を守るため」言い訳をしてしまいます。

大切なことは、

『能力では𠮟らない!』

『結果ではなく、過程に価値をおく!』

『完璧を求めない!』

子どもはまだまだ未熟です。失敗することは当たり前です。

ですから、結果だけを切り取り、「能力が高い・低い」ということを叱っても仕方がないことです。

それよりも、『がんばる姿勢や過程』に重きをおいてた関わり方をしていれば、子どもは素直に失敗を受け入れ、言い訳をせず前へ進めるようになります。

「能力では𠮟らず」「過程に価値をおく」、子どもが『失敗することを恐れない』関わり方が大切です!

⑤「親の言動」を見直す!

"言い訳"をする子どもへの正しい対応法5つ目は、

「親自身が矛盾した言動をしていないか、自分を振り返ること」が重要!

「親が言い訳するクセがある」

「親が子どもに対して素直に謝らない」

「親がすぐ人のせいにする」など

シンプルにこのような親の言動が子どもに影響を及ぼします。

子どもに対して"言い訳"をしてはいけないと言っておきながら、親自身ができていなければ意味がありません。

▶例【宿題をなかなかしない場合】

親:ソファに腰かけテレビを見ながら「早く宿題しなさい!」

子:「だって…お母さんもテレビ見てるじゃないの」

親:「だってママはもう大人だから勉強しなくていいの!」

このような状況で言われても、子どもはすぐに宿題をする気にはなれないですよね。

【子どもは親の鏡】です。子どもは、親が思っている以上に親の姿をよく見ているものです。

子どもがお手本にするのは親の言動です。

子どもの言い訳など、気になる言動というのは、親自身の言動でもあると言えるのではないでしょうか。

子どもの言い訳をするクセがある場合は、「親自身の言動を振り返り・見直していく」ことが大切です!

まとめ

子どもが"言い訳"をする「理由」「要因」、そして「正しい対応法」について解説してきました。

▶子どもが"言い訳"をする主な「理由」は、

言い訳をする「理由」

自分の身を守るため(自己防衛・正当性の主張)

▶子どもが"言い訳"をする「要因」2つは、

言い訳をする「要因」
  • 親のダイレクトな「修正・叱責」
  • 親の過度な「期待」

▶"言い訳"をする子どもへの正しい対応法5つは、

言い訳をする「対応法」
  • 子どもの「気持ちを受け止めて」あげる!
  • 「自分目線」で考えさせる!
  • 「iメッセージ」を伝える!
  • 「失敗すること」を認める!
  • 「親の言動」を見直す!

人は、否定されると本能的に「自己防衛本能」が働き、自分を正当化しようという意識が芽生えます。

わかっていてもなかなか難しい、親の我が子への対応。

子どもの成長を望むなら、親が意図して成長していくことが大切です。

わたしも、成長を試みては失敗…同じことを何度も繰り返しています。

でも、一番大切なことは子どもの成長です。

試行錯誤を繰り返し考えながら進めています。

少しずつでいいと思います。

少しずつ親の受け皿を広げていき、子どもの成長をサポートしていきましょう!

今回の対応法が、少しでも役に立てればうれしいです!

わたしもまだまだ継続中です…

子どもの成長のために、ともにがんばっていきましょう!

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