うちの子の『やる気スイッチ』はいったいどこにあるの!?
「ゲームばっかりして、まったくサッカーの練習をしない…」
「試合ではあまりボールに関わらない。やる気あるのかな?」
「自主練やると言って、ボールをもって行ってもすぐに帰ってくる…」
「そもそもサッカー好きなのかな?うまくなる気がないなら、サッカーやってる意味ある?」
多くの親が、一度は子どものサッカーに対する"やる気"について疑問に思ったことがあるはずです。
親の思いや期待とは裏腹な子どもの様子を見ていると、心配や不安は尽きません。これらのストレスが積み重なると…
「やる気ないならやめてしまえ!」
と、心にはない言葉を子どもに浴びせてしまうこともあります。
こういう状況に陥ると、子どものやる気はまったく出ないどころか、楽しさを失い、サッカーを辞めたくなってしまうでしょう。
わたしは長年、教員やサッカー指導、そしてサッカーをやっている我が息子に対して指導する中で一番大切にしてきたことは、子どもの"やる気"を引き出すためのアプローチの仕方です。
そこでこの記事では、【子どものサッカーにおいて"やる気"を高めるカギと効果的な方法5つ!】を紹介します。
「どうやったら子どもの"やる気"を高められるの?具体的な方法が知りたい!」
と思っている人は、この記事を読めば、子どものやる気を高める具体的な方法を知ることができます!
子どもには"やる気"をもって自主的にいろいろチャレンジしてもらいたいと思うのは、親として当たり前のことです。
ぜひ、この記事を参考にしてアプローチしてみてください!
"やる気"を高めるカギは『内発的モチベーション』にある!
プレーヤーが"やる気"を起こすには、大きく2つの動機づけが関係しています。それは「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」です。
「うん、何?動機づけって…」
よく「モチベーション」という言葉を聞いたことがあると思います。
モチベーションとは、人が何かをする際の『動機づけ』という意味です。
▶「動機づけ」(モチベーション)とは、「やる気」を起こす要因・きっかけ
▶「やる気」とは、動機づけられた結果出てくる気持ち・意欲
もう少しわかりやすく例をあげると、
・テストで100点を取ろう!←「動機づけ」(モチベーション)
・テストで100点取りたいからがんばろう!←「やる気」
つまり、「やる気」を高めるカギは、『動機づけ』(モチベーション)にかかっています。
そのためには、2つの動機づけ「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」について詳しく知っておく必要があります。
ここでは、言葉のイメージをとらえやすいように
「内発的動機づけ」=『内発的モチベーション』
「外発的動機づけ」=『外発的モチベーション』
で解説していきます。
「内発的モチベーション」とは?
『内発的モチベーション』とは、「自分はこうなりたい!」という欲求や目標、「これは面白そう!」といった好奇心などの、自分の内面から生まれるモチベーションのこと。
サッカーが「好き」・「楽しい」・「うまくなりたい」というような内面から湧き出てくる気持ちです。
この「内発的モチベーション」を維持できれば、おのずと"やる気"が出てくるということです。
つまり、"やる気"を高めるカギは『内発的モチベーション』にあります。
「内発的モチベーション」こそが"やる気"のスイッチ!
サッカーをやる理由・意味は、子ども本人が見つけるものです。感じるものです。
子どもが自然と内面から「やる理由(モチベーション)」が湧き上がってくるように、親や指導者がアプローチ・サポートしていかなければいけません。
ただ気をつけないといけないのは、子どもの「年齢や実態」に応じたアプローチが必要です。
「低学年」の子どもの内発的モチベーション
低学年の子どもたちのサッカーをやる理由・モチベーションは、「サッカーが好き・楽しい・もっとやりたい」に尽きるでしょう!
「好き!」「楽しい!」「もっとやりたい!」
サッカーの世界の入り口に立つ低学年の子どもたちは、「まずはサッカーを好きになってもらうこと」が大切です。
「好き」になるからこそ子どもなりに真剣に取り組み、そこからさまざまな発展につながっていきます。
「好き」になって、自分の心からやりたい、がんばりたい、うまくなりたいと思うことがすべての原動力となるでしょう。
ただ、好きにさせるため単に遊ばせることでも、放任することでもありません。
親や指導者は、子どもだましにならない、意識的な取り組みが必要です。
子どもたちが、純粋に「サッカーが好き!」と思えるようになれば、自然と"やる気"のスイッチが入るでしょう。
「高学年」の子どもの内発的モチベーション
高学年になると、自己中心性から脱却し、具体的経験に支えられた論理的思考が可能になります。
「上手くなりたい!」「ゴールを決めたい!」「試合に勝ちたい!」「プロになりたい!」
低学年で積み上げた「サッカーが好き・楽しい」という内発的なモチベーションから、「上手くなりたい・活躍したい」など発展した内発的なモチベーションへと変わっていきます。
ですから我々大人は、子どもの「サッカーが好き・楽しい」という思いをベースに、より具体的なモチベーションへとつながるようなアプローチ・サポートが必要になってきます。
これが上手く進めば、子どもはサッカーに対する"やる気"にスイッチが入り、いつまでもモチベーションを維持しながら取り組むことができるでしょう。
年齢や実態に応じた、子どものサッカーに対する「内発的なモチベーション」を見つけ・感じさせることで"やる気"にスイッチが入ります!
*今回は「低学年」「高学年」と大きく2つのカテゴリーに分けましたが、それぞれの子どもの実態や個人差に応じて柔軟に対応する必要があります。
「外発的モチベーション」の注意点
「内発的モチベーション」ともう一つある「外発的モチベーション」とはいったいどういったものでしょうか。
『外発的モチベーション』とは、報酬や褒美、周りからの働きかけなど、自分の外側からの刺激によるモチベーションのこと。
この「外発的モチベーション」には注意することが2つあります。
- 効果があるのはそのときだけで、モチベーションは長続きしない。
- 「内発的モチベーション」を下げてしまう。
モチベーションは長続きしない
「外発的モチベーション」の注意点一つ目は、『効果があるのはそのときだけで、モチベーションは長続きしない』です。
例えば、
「今日の試合で〇点入れたら●●を買ってあげる」といった褒美です。
このケースは一度は経験あるのではないでしょうか?
わたしもありました。息子に「今日の試合で5得点以上したら帰りにアイスクリームを買ってあげる」とか。
子どもは「やる気アップ!」してがんばります。「アイスクリームを目指して!」(笑)
でも、このような褒美・報酬による外発的モチベーションはいっときは効果がありますが、やはり長続きしません。「やる気」が出るのはその時だけになります。
それは子どもの目的が、「得点を決めることではなく」、「●●を買ってもらう」ところにあるからです。
つまり、褒美や報酬がなければ、モチベーションを維持することが難しくなります。
また、親やコーチからの「もっとやる気出せよ!」と圧力をかけられるような外発的なモチベーションがあります。
自分の内面から生まれる気持ちではなく、外からの強い刺激(圧力)による行動になります。
「やれ!」と言われたから「やる」。
このモチベーションも自分から動いているわけではないため、「言われたとき」だけで続きません。
「外発的モチベーション」は、そのときは効果があっても、モチベーションは長続きしません!
「内発的モチベーション」を下げてしまう
「外発的モチベーション」の注意点二つ目は、「内発的モチベーション」を下げてしまうことです。
「外発的モチベーション」の影響により、「内発的モチベーション」が下がってしまうことを『アンダーマイニング効果』と言います。
ここで一つ興味深い、アメリカの心理学「エドワード・デシ教授」の『ソマ・パズル実験』(立体パズル)を紹介します。
*「ソマ・パズル」は、デシ教授自身が実際にやってみて、とても達成感があり、やめられなくなったというパズルです。
★実験前に学生たちに与えられたパズルを好きなように楽しんでもらい、その後、AとBの2つのグループに分かれる。
Aグループ:パズルを解くごとに決まった「報酬」を与える
Bグループ:「報酬」については何も知らせず、「報酬」はなし。
①各グループ一人ずつ、決められた時間内にパズルを解かせる。
②途中で休憩のための自由時間を設ける。部屋の机上には、パズル以外に雑誌が置かれている。
ポイントは、「自由時間で学生たちが何をするか」です。
雑誌を読むことも、ぼーっとすることも、引き続きパズルをすることもできる。
「報酬」を受け取るAグループと、受け取らないBグループとの差が、どんな行動になってあらわれるのか?
2つのグループで、明らかな差が出ました。
Aグループ:決められた時間内では引き続きパズルを行ったが、自由時間ではパズルから離れ休憩をしていた。
Bグループ:自由時間も引き続きパズルに取り組んだ。
「報酬」を設定しなかったBグループは、「パズルが面白い」という『内発的モチベーション』により、自由時間もそのままパズルを楽しみ続けました。
一方、Aグループは「報酬」を与えることで、「報酬」に見合った以上のことをしなくなったのです。
「報酬」という『外発的モチベーション』が、パズルの楽しさ『内発的モチベーション』に悪影響を及ぼし、弱めたのです。
このように「外発的モチベーション」は、「内発的モチベーション」を低下させてしまう可能性があるので注意が必要です。
つまり、「褒美や報酬」「圧力」などの『外発的モチベーション』を与え続けていると、もともとあった「楽しさ」(内発的モチベーション)が弱まっていくということです。
「楽しい!」といった内発的なモチベーションではなく、「報酬」という『外発的モチベーション』のために取り組むようになり、「報酬」がなければ、やる意味や価値を見出せなくなります!
"やる気"を高める効果的な方法5つ!
子どもたちに「やる気を出せ!」と言ったことはありませんか?
わたしも息子に言ったことがあります。
でもよく考えてみると…「やる気」ってなんでしょう?
以前、子どもたちに「やる気を出せ!って言われたらどうするの?」と聞いてみたことがあります。
すると子どもたちは、「・・・」。即答はできませんでした。
しばらくすると、「うーん、とにかくがんばる」といった具体性のない返答でした。
それもそのはずです。子どもたちにとって「やる気の高め方」なんて知らないからです。
だから親や指導者は、漠然と「やる気を出せ!」と言うのではなく、子どもたちに『やる気を高める』ためのアプローチや、『やる気の出し方』を教えてあげることが必要です。
子どもが"やる気"をもってサッカーに取り組むためには、子どもの内発的モチベーションにアプローチしていかなければいけません。
今回、"やる気"を高める効果的な方法を5つ!に厳選して紹介します。
- 「支援型アプローチ」で"やる気"アップ!
- 「質問」が究極の"やる気"スイッチ!
- 「ワクワクする」なりたい自分を見つける!
- 「イメージ力」で"やる気"アップ!
- 子どもと一緒にサッカーを「楽しむ」!
①「支援型アプローチ」で"やる気"アップ!
一つ目の"やる気"を高める効果的な方法は、「支援型アプローチ」で"やる気"をアップ!します。
今までも説明してきた通り、サッカーにやる気を見出すには、サッカーが「好き」・「楽しい」・「うまくなりたい」というような内面から湧き出てくる気持ちが必要です。
この「内発的モチベーション」を維持できれば、おのずと"やる気"が出てきます。
そのためには、親や指導者は子どもに「サッカーが楽しい・好き」と思わせるアプローチをする必要があります。
それが『支援型アプローチ』です。
アプローチの仕方は大きく2種類あります。
『支援型アプローチ』と『外的コントロール』です。
「外的コントロール」は、相手が早く言うことを聞いてくれそうな気がするので、これらの手法が使われることが多いです。
しかし、自分から動いているのではないため、誰もみていないところではその行動は続きません。本当の意味での【主体性】は育ちません。
つまり、「やる気を出しているふり」になってしまいます。
子どものプレーの指摘・ダメ出し・叱責は、確実に子どものやる気をなくさせます。
例えば、
「どうしてあそこでパスなの?自分でシュート打てよ!」
「なんでもっとボールを取りに行かないんだ。やる気あるのか!」
このような言葉を浴びせられて、自分の心の中から「サッカーが楽しい!」という気持ちにはなりません。これでは"やる気"が出るわけありません。
夢の実現を支援するように、信頼して、話をよく聴いて、必要な助言をして、ときには勇気づけていく働きかけが大切なのです。
これが『支援型アプローチ』と言います。
これにより、子どものやる気が高まるだけでなく、【信頼関係】も深まっていきます。
『支援型アプローチ』を積み重ねていくことで、子どもがサッカー「楽しい!」「がんばろう!」と思えるようになります。
そうすれば、子どものサッカーへの"やる気"が高まり、優先順位が自然と変わってくるようになります。
あるがままの子どもを「認め・受け入れ・尊重」してあげる『支援型アプローチ』を積み重ねて、子どものやる気を高めていきましょう!
②「質問」が究極の"やる気"スイッチ!
二つ目の"やる気"を高める効果的な方法は、「質問」で"やる気"のスイッチ!を入れます。
親は、我が子に『がんばってほしい!』『活躍してほしい!』『うまくなってほしい!』と願う気もちとは裏腹の言動をとってしまいます。
例えば、
「どうしてできないんだ!」
「なんでシュートを打たないんだ!」
イライラが募るとこのようについ「感情的な言葉」で子どもを責めてしまいます。
これでは、子どもは「できなかった理由」「シュートを打たなかった理由」は考えられず、ただ黙り込むだけになりモチベーションはなくなっていきます。
「責める言葉」を『質問』に変えてみてください!
先ほどの例で考えてみると、
「どうしてできないんだ!」⇒『どうすればできるようになるかな?』
「なんでシュートを打たないんだ?」⇒『シュートを打たなかったのはどうしてかな?』
このように「質問」をされると、言われた方もその「理由」を考えることに意識がいきます。つまり、冷静に自分の行動を振り返りやすくなります。
「質問」されると、脳は質問に答えようとして、答えを探し始めます。
また、「どうすればそれができるようになるかな?」という質問には、『どうにかすればできるようになる』『〇〇すればできるという方法がある』という前提が含まれています。
このような質問をされることで、子どもは未来に希望を見出し、具体的な方法を見つけながら"やる気"を高めていくことができます。
このように、心が前向きになり、やる気が出てくる質問を【パワーアップクエスチョン】と言います。
それに対して、「どうしてできないんだ!」という質問は、心のエネルギーや、やる気を奪ってしまう【パワーダウンクエスチョン】と言います。
わたしは息子の試合が終わってから、話の中でよく聞きましたね。問いました。叱責することはしませんでした。
息子は、それらのシーンを回想し答えていました。「なるほど」と思わせることもよくありましたね。
年齢に応じて、子どもなりに考えているものなんです。
ポジティブな質問で、ポジティブな思考をもてるようにしたいですね。
そうすれば、"やる気"も自然と出てくるようになります。
「パワーアップクエスチョン」を用いて、自分を振り返り、考えさせることでやる気がアップしてきます!
③「ワクワク」するなりたい自分を見つける!
三つ目の"やる気"を高める効果的な方法は、「ワクワクする」なりたい自分を見つける!ことです。
何回も言うようですが、子どもが"やる気"をもってサッカーに取り組むためには、子どもの内発的モチベーションにアプローチしていかなければいけません。
そのためには、
子どもの本心=内面の欲求から「夢や目標」を見つけ出すことが大切です。
「どんな自分になりたいのか?」 「何を実現したいと思っているのか?」を引き出す必要があります。
しかしながら、ついこんなことを子どもに言ってしまっていませんか?
「そんなんじゃサッカー選手になれるわけないだろう。プロの世界は甘くないぞ!」
「やる気をもってもっと努力しないと、レギュラーになれないぞ!全国大会なんて行けないぞ!」
子どもにしたら経験したことがないことを、大人の経験値で叱責される…
これでは、"やる気"をもって「プロへ」「レギュラーに」「全国大会へ」目指すことはできません。
子どもたちが「なりたい姿」をイメージして、『ワクワク』できてこそ内面から自然と"やる気"が出てきます。
▶"やる気"を高める「目標設定」のポイント
- 「ワクワク」する将来の自分の姿をイメージすること
- 細かく段階を区切ってイメージすること
次に、"やる気"を高める「目標設定」のポイントについて詳しく解説していきます。
「ワクワク」する将来の自分の姿をイメージする
人間は、脳の中で「快楽ホルモン」と呼ばれる『ドーパミン』という物質が分泌されることで、"やる気"や"行動力"が高まります。
そのドーパミンという物質が分泌されるのは、「やらなければいけないこと」をやっているときではなく、『楽しいこと』『やりたいこと』をやっているときなのです。
つまり、人間の脳は『ワクワク感』がないと、「やるべき」という義務感だけでは"やる気"が高まらない仕組みになっています。
日常生活や仕事においてもそうですよね。課された内容では"やる気"は高まらないですよね。それと同じことが言えます。
「こうなったらいいなあ」と『ワクワクする夢や目標』を抱かせることが大切です!
細かく段階を区切ってイメージする
単なる「夢や目標」で終わらせず、『実現できるかもしれない!』というイメージをもたせることが大切です。
そのためには、夢や目標を『細かく段階を区切って、イメージする』ことが必要になってきます。
最終的に夢や目標が叶うまでの途中経過をイメージさせ、『夢や目標が叶っていく過程』を頭の中で"疑似体験"させます。
そうすれば、夢や目標が【リアリティ】を増してきます。そして、"やる気"や"ワクワク感"が高まってきます!
おすすめの目標設定方法!
「夢や目標」をリアルに近づけるためには、「目標設定」の仕方が大切です。
"やる気"を高める「目標設定」のポイント
▶「ワクワク」する将来の自分の姿をイメージすること!
▶細かく段階を区切ってイメージすること!
これらのポイントを元にしたおすすめの目標設定方法に、『夢づくりワーク』があります。
『夢づくりワーク』では、10年後の将来の姿から一年毎にさかのぼって、一年後までの「なったらいいな!」「こうなっていたい!」自分をイメージします。
この「一年毎の大まかな目標」→「更に細かい一年の目標」→「日々のやるべきこと」
「長期」→「中期」→「短期」の目標設定が、将来の目標を達成するためには大切になってきます。
自分の頭の中で・心の中でイメージしたことは、内発的モチベーションを維持し、"やる気"を高めながら継続することにつながります。
サッカーだけに限らず、自分の先の設計を考えることは、モチベーションを維持するのに有効です。
我が家の子どもも「夢づくりワーク」を作成しています。それぞれの好きなことや得意なことをもとに、この先どうなっていたいのかをイメージして書いています。
サッカーをしている次男は、5年生からその先の10年後、つまり20歳までの自分のなりたい像をイメージして作成しています。
目標設定のときに大切なことは、
①自分で考え・自分で決めること!
②ワクワクなりたいことをイメージすること!
やはり、他人から与えられた目標では、やる気をもってがんばることに限界がきます。
また、年齢や実態に応じて工夫して取り組むことも大切です。
低学年など子どもが一人で取り組むことができないようでしたら、大人が問いかけながら進めてあげてください。
ちなみに我が家の息子は、小さいころから年齢に応じた目標設定のやり方を工夫しながら毎年掲げています。
自分で掲げた目標こそが内発的なモチベーションとなり、そのおかげでサッカーに対して主体的に取り組むことができています。
とくに小学生のうちは、結果だけにこだわるのではなく、将来のことを考えて、少しずつ成長していく姿を積み重ねて行ってほしいと思います。それをサポートするのが、親であり指導者の役目ですね。
「ワクワク」するなりたい自分をイメージして、夢や目標を設定することで、高いモチベーションを維持し、"やる気"をもって取り組むことができます!
なお、目標設定の方法には、「夢づくりワーク」以外に、「子どもの主体性を引き出す10個の質問」や「ウェビング法」などいろいろあります。また紹介します!
④「イメージ力」で"やる気"アップ!
四つ目の"やる気"を高める効果的な方法は、「イメージ力」で"やる気"をアップ!させます。
やる気を高めるための「メンタルスキル」の一つに、『モデリング』という手法がります。
「こんなふうになれたらいいなあ」と思える選手やプレーをイメージして、なりきるモデリングです。
例えば、アルゼンチン代表のメッシ選手が大好きで、「メッシ選手のようなドリブルができるよになりたい!」と思っている子どもがいるとします。
「メッシ選手」になりきるモデリングをします。
①メッシ選手のプレー映像を見る(ドリブル)
②メッシ選手のドリブルを自分の心の中にイメージする
③メッシ選手のドリブルを、自分がしている姿に入れ替えてイメージする
④実際の練習や試合で、メッシ選手になりきってプレーする
このように、あこがれの選手のイメージを活用するだけで、自分のアイデンティティではなし得ないような成果を出すことが可能になり、内発的なモチベーションを維持することができます。
「モデリング」でしてはいけないことは、親や指導者が、
「メッシのドリブルなんかマネできるわけないだろう!」
と否定することです。
自分には難しい、自分では無理、と感じることでも、あこがれの選手ならマネをしたくなり、「できる!」と思えるのです。
それを勝手に大人が現実的に「ムリだ」と否定してしまうと、せっかくの"やる気"も失せてしまいます。
あくまでも「モデリング」はイメージです。"やる気"を起こすきっかけであって、技術習得がメインではありません。
情報社会の現代では、テレビやユーチューブなどから簡単に情報が手に入ります。
あこがれの選手や、好きなチームの試合やプレー映像を見ることは、自然と子どもの頭の中でイメージが共有され、モデリングが行われているかもしれません。
ただ見てばっかりだけだとダメですけどね(笑)
その姿をイメージして実際にプレーしてみることがモデリングでは大切になってきます。
子どもはマネをすることが好きです。マネをするということは、子どもの内面、つまり内発的なモチベーションから行動に移しているということが言えます。
マネをしていたら決して否定せず、「すごいね!メッシみたい」と褒めてあげましょう。そうずれば"やる気"がどんどん出てくるようになります。
「こんなふうになりたいなあ」と思えるあこがれの選手になりきることで、"やる気"が出ます!
⑤子どもと一緒にサッカーを「楽しむ」!
五つ目の"やる気"を高める効果的な方法は、子どもと一緒にサッカーを「楽しむ」!ことです。
"やる気"スイッチのカギとなる、サッカーが「楽しい!」「好き!」といった『内発的モチベーション』を維持するには、大人も子どもと一緒にサッカーを楽しむことです!
仕事でも何でもそうですが、ガミガミ怒っている人と一緒にいてもまったく楽しくありませんよね。
それと同じで、子どもがサッカーをしている近くで怒ってばかりしている人がいれば、そりゃサッカーも楽しくなくなります。
やる気なんて出るわけありません。怒られて・言われてやっているだけです。これでは永遠に"やる気"スイッチは入りません。
例えば、公園へいく時には必ずサッカーボールを持っていき、5分でもいいので子どもがサッカーボールでやりたいことを一緒に楽しんでください。
別に公園に行かなくても、時間があるときにテレビや実際にスタジアムに足を運び、一緒にサッカー観戦をするのも楽しいですよね。
「わーすごいな今のプレー!」「楽しかったな」とサッカーを通した楽しさを親子で共有できます。
わたしはいつも仕事が終わり帰宅してから、急いで息子が遊んでいる公園に足を運びます。そして息子の友だちみんなでサッカー(ゲーム)をします。最高に楽しいですよね。わたしが楽しんでいますが(笑)
また、実際にスタジアムにも息子をよく連れて行きました。あの雰囲気、最高に楽しかったですね!
『好きこそ物の上手なれ』という言葉があります。「サッカーは楽しい!」と思えれば、自然と「うまくなりたい」と思うようになります。
子どもの"やる気"スイッチを見逃さないように、親も子どもと一緒にサッカーを通して遊んでください。楽しんでください。
とくに、サッカーを始めたばかりの子どもにとっては、まずはうまくなりたいとかレベルアップしたいということではなく、サッカーをただの遊びとして楽しむことが最優先です。
楽しい遊びなら続けることができます。しかしその楽しい遊びに少しずつのめり込んでくると徐々にもっとうまくなりたいなどの欲求が湧いてきます。
これこそが"やる気"のスイッチです!
子どもと一緒にサッカーをして遊んだり、観戦したりして「楽しむ」ことが、サッカーの"やる気"スイッチを入れてくれます!
まとめ
子どもサッカーの"やる気"を高めるカギと効果的な方法5つ!を解説してきました。
サッカーにか限らず何事においても、"やる気"を高めるカギは『内発的なモチベーション』にあります!
サッカーが「好き!」・「楽しい!」・「うまくなりたい!」というような内面から湧き出てくる気持ちです。
この気持ち=「内発的モチベーション」を維持できれば、おのずと「やる気」が出てきます。
これらの気持ち(内発的なモチベーション)が出てくる「効果的な方法を5つ!」紹介しました。
- 「支援型アプローチ」で"やる気"アップ!
- 「質問」が究極の"やる気"スイッチ!
- 「ワクワクする」なりたい自分を見つける!
- 「イメージ力」で"やる気"アップ!
- 子どもと一緒にサッカーを「楽しむ」!
子どもが自然と心から、「サッカー楽しい!」「サッカー好き!」と思えるようなアプローチは、声かけだけでなく、メンタルスキルなどたくさんあります。
子どもの「年齢」や「実態」に応じて、日々試行錯誤しながら、「子どものために」「子どもと一緒に」に取り組んでください。
サッカーって本当楽しいスポーツです!
そして、これからを歩んでいく子どもたちに、サッカーを通して何事にも「楽しんで」「前向きに」「主体的に」取り組める力を育んでいきましょう!
そのために我々大人が、全力でサポートしていきましょう!
【すべては子どもたちのために】