『今日はなんだかプレーにキレがなかったなあ』
『練習で疲れたあとは何を食べるのがいいんだろう?』
『試合前の食事はいつ食べるのがいいのかな…』
練習の送迎や、補食に夜ご飯やお弁当の準備。
サッカーキッズを持つ親は、本当に毎日忙しい…。
時間はないけど、しっかり栄養を摂ってバランスの良い食事を作りたいですよね。
サッカーをする上で、食事の内容は、子どものコンディションやパフォーマンスに大きく左右します。
『あれ?今日は、いつもより動けていないな』『なんだか集中力に欠けているな』と感じることがあれば、それは普段の食事が原因かもしれません。
どんなにサッカーの練習をがんばっても、試合当日に力を発揮できなければ意味がありません。
この記事では、
- サッカーをする子どもに必要な、『献立の基本的な考え方』
- 『何をどんなタイミングで食べる』のがよいのか
について解説していきます。
子どもがサッカーでベストパフォーマンスができるように「食事でのサポート」をし、忙しい保護者の方がメニューを考える際のヒントが見つかります。ぜひ参考にしてみてください!
献立の基本
サッカーでは、相手を一瞬で抜き去る瞬発力、当たり負けしないパワーが求められます。また、試合中走り続ける持久力も必要です。
しかも、ダッシュをしたり、ゆっくり動いたりするため、疲労感が増大し、たくさんのエネルギーを消費します。
競技の特性にふさわしい体作りを意識し、バランスの良い食事をとることで、試合当日に最高のパフォーマンスを発揮できる準備をしていきましょう。
食事メニューの基本形
瞬発力と持久力の両方を求められるサッカーは、エネルギーの元となる糖質や、筋肉をつくるたんぱく質の両方がバランスよく必要になります。
基本の献立に合わせてメニューを組み合わせることで、おのずと栄養バランスが整いやすくなります。
まずは、「バランスの良い献立の基本」を押さえていきましょう。
①主食…ごはん、パン、麺類など
②主菜…魚、肉、卵料理など
③副菜…野菜、きのこ、いも、海藻など
④汁物…みそ汁、スープなど
⑤乳製品…牛乳、チーズ、ヨーグルトなど
⑥果物…リンゴ、バナナ、みかんなど
次は、この基本のメニューから発展させ、『何を、いつ、どのぐらい』食べればよいのかを考えていきます。
試合に合わせた食事をとる
小学生の場合、トレーニングの内容や練習量は、それぞれのライフスタイルによって大きく異なります。
通常の練習をする日、オフの日、試合前、試合当日など、サッカーの練習サイクルに合わせて必要な栄養素を体に摂り入れていきましょう。
通常練習期の食事
「通常練習期」とは、試合前と試合当日、オフの日を除いた練習がある日のことです。
練習期は、練習強度が高く、量も多くなります。そのため、必要なエネルギー量や栄養素も普段より多く必要になります。
この時期は、練習の疲労を回復させ、体を作る時期です。肉や魚、卵などでたんぱく質を積極的に摂り入れ、そのうえで、カルシウムや鉄などを食材からしっかり摂り入れるように心がけましょう。
しかし、ハードな練習の後は、食欲が落ちやすく、思うように食べられないこともあります。そんな時は、麺類などの食べやすいメニューでアレンジしましょう。
- たんぱく質をしっかり摂る
- 豚肉や大豆製品などのビタミンB1を摂取し、疲労回復を促す
- ビタミンB1の吸収を助ける食材、玉ねぎやにんにくと組み合わせると効果的
- 野菜からビタミン・ミネラルを補う
- スポーツ貧血予防に鉄分も意識して摂り入れる
調整期の食事
試合が近づいてきたら、食事の量や質を変えていきます。糖質(炭水化物)の量を徐々に増やし、試合で動けるエネルギーを体に蓄えていきます。
試合当日に向けて食事を調整していく時期を「調整期」といい、小学生の場合は、試合前日からたんぱく質を減らし、糖質を増やしていきましょう。(中高生は2日前、高校生以上は3日前から)
糖質とは、白米、パン、うどんなどの他に、いもなどの穀類や果物にも含まれています。主食からだけではなく、副菜にも摂り入れましょう。
また、この時期は唐揚げなどの油っぽいものはとらないようにします。
- ごはん、パン、麺類などの主食をいつもより多めに摂る
- 肉や魚などのたんぱく質を減らす
- 揚げ物や油を多く使った食事は避ける
- ビタミンB1で試合前に疲労回復をする
- 食物繊維や生ものは避ける
試合期の食事
試合当日は、エネルギーを蓄えるため、糖質中心の食事にし、消化の良いものを食べるようにします。お弁当には、ごはん以外にも野菜や果物からも糖質をとる工夫をしましょう。
糖質の多い野菜には、さつまいもやじゃがいもなどのイモ類、にんじんやかぼちゃにも含まれています。
脂質は消化が悪いので、油っこい食べ物や、バター、マヨネーズなどは控えたいですね。
- おにぎりやうどん、果物から糖質中心の食事にする
- 消化のよい食べ物を食べる
- 梅干しやレモンなどの柑橘類からクエン酸を多く含む食材を摂り入れて疲労回復を促進
- エネルギーを効率よく使うビタミンB1を摂る
- 食物繊維の多い野菜は避ける
- マヨネーズやバターなどの脂質も避ける
試合時間に合わせて食事時間を決める
試合前の食事は、3時間~3時間半前までにすませます。
試合時間の関係で、3時間~3時間半前までに食事ができない場合は、遅くとも2時間前までに摂りましょう。
その時は、エネルギーになりやすく、消化の早いお餅やうどん、フランスパンや食パンなどの脂質が含まれていないパンを食べます。
試合後
試合や練習の運動後には、30分以内に糖質とたんぱく質を一緒にとります。また、水分も消費してしまっているので、運動後できるだけ早めに、水分やごはん、パンなどのエネルギーを補給しましょう。
運動直後は、あくまでも補給です。その後の食事をしっかりとれるように調整しておきたいですね。
- 試合直後はできるだけ早く、糖質を補給する
- 傷ついた筋肉を修復するために、たんぱく質も摂る
- 水分を補給する
- 食欲がない場合は、果汁100%ジュースからも水分と糖分を摂ることができる
オフ期の食事
オフの日は、食べる量を控えめにしましょう。通常練習期の8割程度の量に抑えます。
いつものように食べていると、カロリーを摂りすぎになり、消費できなかったカロリーは脂肪となり、体に残ってしまいます。怪我をしやすくなるので注意したいですね。
また、トレーニング後の食事や休息をとることで、運動で傷ついた筋肉は修復し、筋肉は太く、より強くなります。
試合やトレーニングのあとは、しっかりと栄養をとり、休息を入れましょう。
- 食事の量は、主食、主菜、副菜などからまんべんなく減らす
- ささみやイカ、タコなどの高たんぱく、低脂肪の食事を心がける
- 油物や砂糖を使ったお菓子は避ける
補食について
補食は、3回の食事で不足する栄養素を補うためのものです。食事と食事の間で、間食として食べますが、おやつではありません。
練習や試合後に、3回の食事を食べれなくなってしまうほど食べると、必要な栄養分が摂れなくなってしまい逆効果になります。
「補食」は、食事の時間や量を考えて、必要な分量で栄養を補いましょう。
まとめ
『今日は体のキレがない』
『最後まで走り切れずバテてしまう』
『試合終了まで集中力が続かない』
『足首や膝などよくケガをする』
こういった悩みは食事の内容や、食事をとるタイミングで改善できることがあります。
適切な食事を摂ることで疲労を残さず、練習にも100%の力で取り組むことができます。結果、技術も向上し、試合にも活かされてきます。
練習・食事・睡眠のバランスを維持し、本番で最高のパフォーマンスを発揮できるよう食事のトレーニングも意識して生活に取り入れて行きましょう。