サッカーをやっていてこんな悩みはありませんか?
『持久力がなくて、試合ではすぐにバテバテ…』
『運動神経がなく、スキップやバランスなど体の使い方がうまくできなくて…』
『何に対しても、好奇心や意欲的な心がもてなく、自発性が少ないんです…』
『人見知りがあり、特に新しい環境にはなかなか自分から積極的に入っていけなくて…』
子どもがサッカーをやっている家庭では、このような悩みは必ずあるのではないでしょうか。
サッカーはやっているけど、『何でうちの子は〇〇なんだろう?』と。
25年以上教員をしてきて、たくさんの子どもと関わってきましたが、「自分の体を上手く動かすことが苦手」「何事にも興味・関心・意欲が低い」「コミュニケーションが上手く取れない」などの子どもが年々増加傾向にあるように思われます。
現在「習い事」や「ゲーム・スマホの普及」、「安全面」などさまざまな要因から、外遊びをする子どもが減ってきています。外遊びの減少は、子どもたちの「体を操作する力」や「自発的に体を動かす力」、「コミュニケーション能力」などの力が足りなくなっています。
これらの力の低下は、サッカーをするうえで大きく影響を及ぼします!
我が家の息子は、小さい頃からとにかく「外遊びが大好き!」でした。今でも…時間があれば「外遊び」。毎日、日が暮れるまで友だちと鬼ごっこをしたり、サッカーをしたり、色々な遊びをしています。
そのおかげで、走るのは早い方で持久力もあり、誰とでも積極的にかかわることができるようになりました。
また、小さいうちからよく家族で「山や川」などに遊びに行ったり、キャンプをしたりしました。恒例の「家族行事」みたいな感じで今でも時間があれば出かけます。
これらの「外遊び」や「自然体験」は、子どもにとってたくさんの力を得ることができ、サッカーにも通ずるさまざまな力を養うことができます。
そこでこの記事では、
サッカーをするなら、小さいうちからやっておくべきこと2選【遊び編】を解説します。
- 外遊び
- 自然体験
子どものさまざまな生活における「経験」は、サッカーのピッチでも大きく影響を及ぼします!
この記事を読めば、小さいうちからやっておくべき内容とその必要性についてわかります。
- 持久力がなくて、どうやったらスタミナがつくのかな?
- サッカーをやっているのにもう一つ敏捷性がなくて、もっと運動神経が良くなってほしいなあ…
- 人見知りで、どうしたら自分から進んで積極的に行動できるようになるのかな?
- 子どもにこれからサッカーをやらせようと思っているけど、小さいうちにやっといた方がいいことあるかな?
という人は、ぜひ最後まで読んでみてください。
何気ない生活の「外遊び」や「自然体験」から得られる力が、思い切ってプレーできる土台作りにつながります!
① 『外遊び』から得られる力4つ!
「外遊び」は、サッカーにつながる子どもの基礎体力やコミュニケーション能力など、たくさんの力を養うことができます。
なぜなら「外遊び」は、体を動かし、子どもたちのルールの中で遊びを通して人と関わっていくからです。
わたしが子どもの頃は、学校から帰るとランドセルを玄関先から放り込んで、友だちが待つ公園へ走って行き、日が暮れるまで遊んでいましたね。
しかし、かつてよく見られたこのような子どもの姿は、今では希少になりました。その原因はいくつか考えられます。
- 園や学校から帰ってきても、急いで塾などの習い事に行かなければならない
- 少子化が進み、近くで遊べる公園などが減ってきている
- ゲームやスマホの普及で、一人遊びが増えている
- 子どもを一人で外へ出すことへのリスクや心配といった安全面
わたしは長年教員をやっていましたが、このような日常生活における子どもや家庭の様子を見てきました。
外遊びをする子どもが減ることで、おのずと子どもたちの「体力低下」や「社会性の欠如」などが見うけられます。
サッカーでは、体力やコミュニケーション能力などが必要なスポーツです。
それらの力は外遊びの中にたくさん隠れています!
ここでは、外遊びを通してサッカーに生かすことができる4つの力について解説します。
- 身体や心が発達する「体力」
- 人とつながる「コミュニケーション能力」
- 「判断力」などの認知的な能力
- 発想を豊かにする「創造力」
サッカーをするなら、小さいうちから「外遊び」をすることがおすすめですね!
身体や心が発達する「体力」
外遊びは、身体の総合的な力、「体力」を養うことができます。
体力とはおもに、人が運動するときに必要となる筋力や持久力などの「身体的な力」と、自ら取り組もうとする意志などの「精神的な力」の大きく二つの要素からなります。
サッカーでは、「身体的な力」と「精神的な力」の両方が大きく影響を及ぼします。
身体的な力
身体的な力は、筋力や持久力など、体に元々備わっている能力=「身体能力」と、テクニックなど、体がもっている身体能力を活かす技術的な能力=「運動能力」があります。
外遊びでは、走る、跳ぶ、投げる、ける、つかむといったさまざまな動きを通して神経機能が発達し、体の動きをコントロールする「運動能力」や、筋力や持久力などの「身体能力」を養うことができます。
息子は、特に「鬼ごっこ」が好きで、学校での休み時間や家に帰ってからも公園で友だちとよく鬼ごっこをして遊んでいました。
鬼ごっこはとにかく「走り」ます。疲れていても鬼が追いかけてきたら走って逃げなければいけません。たくさん鬼ごっこをすることでずいぶん走るのが速くなり、スタミナがつきましたね。
このように外遊びから得られる「身体・運動能力」は、大きくサッカーにも役立ちます。ボールを蹴ったりする練習もいいですが、小さい頃はたくさん外遊びを通して、楽しみながらサッカーに生かせれる力を養うことができればいいですね。
また、外遊びで体を動かす習慣が身につくと、丈夫でバランスのとれた体づくりだけでなく、体の機能の発達もうながされることで「健康的な体」づくりにもつながります。
我が家では、幼稚園のころから帰ったあとは必ず近くの公園に遊びに連れて行き、毎日友だちと遊具を使ったり、走り回ったりして遊んでいました。
そのおかげで、今でも風邪をひいたり体調を崩したりすることはほとんどなく、元気で健康的な毎日を過ごすことができています。
サッカーは運動量が多く激しいスポーツです。頻繁に風邪をひいたり、体調を崩しているようではなかなか思うようにサッカーはできません。外遊びをたくさんして丈夫で健康的な体の基盤をつくりましょう。
精神的な力
外遊びは、上記のような身体的な能力だけでなく、好奇心や意欲から自発性が生まれ、精神的な力、「心の発達」にも影響を及ぼします。
サッカーは足で扱うスポーツでミスが多くなります。それでも気持ちを切り替えどんどん意欲的にチャレンジしていかなければなりません。
のびのびと外遊びをして、さまざまな「チャレンジ」や「できた!」という成功体験を重ねていくことで意欲的な心が育まれます。
この意欲的な心は「積極性」を生み、サッカーのあらゆる場面で役立ちます。
外遊びは、子どもの「身体や心」を発達させ、サッカーをするうえでとても大切な要素となります!
人とつながる『コミュニケーション能力』
コミュニケーション能力が発達することも、外遊びのメリットのひとつです。
しかし現在の子どもたちは、ゲームやスマホを使って一人でもできる遊びが増え、自ら仲間を探しコミュニティを形成する機会が減少しています。
その点外遊びでは、たくさんの友だちと群れて遊ぶことで、仲間とルールを守り、自分勝手なふるまいを抑えて友だちとコミュニケーションを取ることを覚え、協調する社会性を身に付けることができます。
例えば、すべり台やブランコの順番を待ったり、スコップの貸し借りをしたりするなど、他の子とやりとりをする機会が増えることで集団のルールを学び、コミュニケーション能力などが自然と身についていきます。
ルールを守ることの大切さ、集団行動、コミュニケーション能力などの社会性は、生きていくうえで非常に大切なことですが、集団スポーツであるサッカーにも言えることです。
サッカーでは、自分勝手なプレーばかりしていてはいけません。決められたルールの中で全員で協調しながらプレーしなければいけません。
そのためには「どういったプレー」がしたいのか、自分や味方の考えを互いに共有し、コミュニケーションを図る必要があります。
また、外遊びと同じようにサッカーでは年齢関係なく交流します。
自分より年下と関わることで、自分が先導して教えてあげたり、小さい子のペースを考えて行動したりすることによって、相手をいたわる気持ちや、チームプレーで大切な周りの状況を考えることを学びます。
自分より年上の子と関わり続けることで、必死についていくために工夫したり、自分では思いつかないような知恵を身に付けたりして、物怖じせず、どんな環境でもいつも通りの自分を出せるようになります。
異学年との交流だけでなく、新しいチームに入ったときなど、どんな環境の中でも自分から進んでコミュニケーションをとることが大切であり、必要になってきます。
わたしの息子も小さい頃から年齢問わず外遊びをしていたため、積極的に体を動かすことだけではなく、たくさんの友だちとコミュニケーションをとる力を養うことができました。
そのおかげで、サッカーを始めてから何回かチームを変えましたが、新しい環境でも積極的にコミュニケーションをとり、1日で友だちになっていましたね!
今では、どこに行っても友だちがいるぐらい、たくさんの友だちに恵まれています。
このように外遊びで培った力が、サッカーのあらゆる場面にも生かされることになります。
サッカーでは、プレーにおいても人との関りにおいても、外遊びから得られる「コミュニケーション力」がとても大切な力になります。
『判断力』などの認知的な能力
外遊びの良さは、体力向上やコミュニケーション能力が養われる以外に、「危険予測」や「状況判断」といった認知的な能力も身につきます。
鬼ごっこで逃げたり、ドッヂボールでボールが飛んでくる方向を予測したり、さまざまな危険予測や状況判断が必要になります。
また、外で遊んでいるとたくさんの失敗をします。うまくいかなかったり、転んだり、何かにぶつかったりなど…けがをしてしまうケースもあります。
しかし、子どもはさまざまな失敗経験から多くのことを学びます。危険を避けるためにはどうすればよいか、スポーツがうまくなるためにはどのように体を動かせばいいのか、失敗を糧にしていろいろなことを考え、判断するようになります。
これはまさしくサッカーの状況と同じですね!
サッカーは、常に状況が変わるスポーツです。瞬時にそれぞれの状況に応じて自分で考え判断する力が必要になります。また時には、相手の攻撃に対して素早く危険を察知して対応する力が大切になります。
つまり、サッカーでは判断力や危険察知能力などの認知的な能力が欠かせないスポーツと言えます。
*子どもは遊びで夢中になってしまうので、大きなケガや事故にならないように、ある程度は親が気をつけて配慮してあげることが必要です。
サッカーには欠かせない判断力や危険察知能力など、外遊びから学ぶことができますね!
発想を豊かにする『創造力』
▶ サッカーをしたいけれどゴールがない。そんなとき、子どもたちはみんなで考え『こことここの間がゴールね』などと工夫をします。
▶ 道具と砂とを組み合わせて、形のあるものをいろいろと考え出し創り出します。
このように子どもは、楽しむために懸命になって発想力を働かせます。
サッカーにおいて、創造性豊かなプレーは相手の意表を突き、より脅威を与えます。創造力をもったプレーは予測が難しく、他にはない魅力を感じさせてくれます。
ブラジルの選手は、トリッキーな足技をしたり、意表を突くプレーをしたりします。決められた個人戦術やチーム戦術の枠を超えた、他にはない自分だけのアイデア・発想力は大きな武器になります。
これは『遊び』から培われた力、創造力のたわものですね。
見ているだけで楽しいし、対戦している相手にとっては予測しずらく対応が難しくなります。
このような創造性や柔軟性を養うためには、とにかく子どもに自由に遊ばせることが大切です。
最初から正解を追求し、大人のまねばかりさせたり、ルールで縛りつけてしまうと創造性や柔軟性は育ちません。創造性や柔軟性などは、大人になってから得ようと思って得られるものではありません。
小さいころからさまざまな遊びをして、さまざまなものに触れて、さまざまな考え方をすることで得た「創造力」が、大人になってからも力を発揮することができるのです。
外遊びを通して得た「創造力」は、他にはない自分だけのアイデアであったり、自分らしさを生み出すきっかけとなり、サッカーにおいて個を更にレベルアップさせてくれます。
サッカーも遊びの延長です。サッカーも遊びも思いっきり楽しめる気持ちを持ち続けたいですね。
親が教えられないことは『自然体験』から学べる!
現在の子どもたちの五感刺激は、さまざまな電子機器の発展などが原因で「視覚優位」となりつつあり、他の「感覚・嗅覚・聴覚・触覚」がおろそかになっています。
自然界の中では、「匂い・質感・感触・味・色・温度・痛み・喜び・楽しさ」など多くの感覚を養うことができます。
これらの「五感への刺激」は、脳の発達を促進させるのに効果的で、「感じ取る力や考える力」が養われます。
創造力を養う
山や川などに出かけて様々な経験を通して、感性を磨き、環境適応力を育みます。
こどもの関心事は大人には理解できないことがたくさんあります。
「何が楽しいの?」と思うことはありませんか?
例えば、流れてくる川に葉っぱを延々と流し続ける…。ひたすら石を集める…。
親がくだらないことだと思っても、子どもは想像力を使って自分の世界観を作っています。それを大人の考えで、『こっちのほうがもっと楽しいよ。』『せっかくだからこれをして遊んだら?』などと言ってしまわずに、子どもに任せておくことで創造性豊かな感性が磨かれていくことでしょう。
自然体験を通して、親が介入できない子どもだけの時間を多くとることで、感性が磨かれ、創造性豊かなプレーにつながります。
危険察知能力を養う
非日常的な自然環境の中では、動物や虫に追いかけられることもあるでしょうし、石につまづいて転だり、山道でへびに遭遇するなど、思いがけないことが多々起こります。
自分が想像もしていなかったことが目の前で起きた時、次からは想定できる限りのあらゆる危険を予測し、それらを回避するための対策をとります。
これらの能力は、親から教えてもらって身につくものではなく、経験を積むことで養われていくものです。
この危険予測は、サッカーでもとても重要です。
相手がパスを出すであろう所を予測して、ボールを奪うインターセプト。危ない瞬間を予測して先に対応する能力。
この目に見えない能力は、非日常生活の中、つまり自然体験を通して得られます。
小さいうちから、自然体験などの非日常体験をたくさん経験して「危険察知能力」を身につけていきましょう!
まとめ
サッカーをやっていると、『何でうちの子は〇〇なんだろう?』『たくさん練習してるのに伸びないなあ』と考えることがあります。
すべての悩みは、たくさんトレーニングを積み重ねるだけでは解決できません。
そんなときは、「生活の工夫」にも目を向けて見てください。「外遊び」や「自然体験」からサッカーに通ずるたくさんの力を養うことができます。
- 【外遊び】「体力・コミュニケーション能力・判断力・創造力」が養われます!
- 【自然体験】親が教えられない「創造力」を生み出し、「危機察知能力」を身につけられます!
これらを小さいうちから経験することで、どんな環境にも対応ができ、自分らしくプレーができる土台となるでしょう。
これらの力は、サッカーだけでなく、これからを「生きていく力の源」にもなります!
生活習慣も含め、小さいうちからやっておいた方がいいことはたくさんあり、特に「外遊び」や「自然体験」からは、サッカーに通じる大切な力を得ることができます!今からでも遅くありません。実践してみてくださいね。